子どもの運動器検診での健康スポーツナースのお仕事とは

子どものために運動器検診を実施するのも健康スポーツナースの仕事です。近年、ロコモティブシンドローム(運動器に問題があり寝たきりの状態になること)になるリスクが、子ども頃の運動量や運動の仕方により増えることが指摘されています。ロコモティブシンドロームのリスクが高い子どもは、遊んでいたらこけてしまって手足で受けようとしたら手足にヒビが入る、ジャングルジムを降りようとしたら足首にヒビが入るなどの症例が確認されています。これらの動きは本来なら怪我は負わないはずですが、運動器の基本的な動作ができていないために怪我につながってしまったのです。

運動器の基本的な動作が身についていない原因は、子どもの体力低下にあります。昔は公園を駆けまわったり、サッカーや野球などのスポーツをしたりと、子どもの遊び場は外でした。しかし、最近はテレビゲームやネットなど、家の中で遊べる環境が整ったことであまり外に出かけなくなりました。その結果として体力が低下し、子どもが体をあまり動かさないため、運動器が未熟なままになってしまっているのです。また、運動量が多い子どもも運動器に問題があるケースがあります。同じスポーツを長年続けることで同じ筋肉や関節しか使わなくなるためです。運動器にこのような問題がないかを確認するのが健康スポーツナースの仕事です。

そして、運動器の知識は学校医や保護者もよく知らないことが多いです。運動器の正しい知識をレクチャーすることにより子どもの健康を守ることにつながります。運動器検診や健康教育への参加を保護者にすすめたりするのも仕事の1つです。